華道 月輪末生流について

東山、月輪山の麓に、皇室の菩提所として「御寺(みてら)」と呼ばれる総本山 泉涌寺があります。「華道 月輪未生流」は、その泉涌寺で創流されたいけばなで、泉涌寺歴代長老が家元を継承してきました。元来、神仏を迎える拠所として床の間に松を生けたり、神仏に供するため色花を飾ったことが「いけばな」の発祥であるといわれますが、「華道 月輪未生流」も、歴代皇族への献華がその始まりです。現在は、古式に則った伝統花である「生花(せいか)」と、自由な発想で創り上げる「自由花」があり、花を生けることだけでなく、草花の出生や、儀礼作法等を学ぶ事ができるのが特徴です。新春の霊明殿献華式・三月の涅槃会献華式・月輪未生流いけばな展・講習会・研究会・懇親会などの行事は、家元・泉涌寺で行われます。また各地の司所や支部でも花展や講習会が開催され、師範の資格を持つ先生方が懇切丁寧な指導を行っています。

華道月輪未生流家元(泉涌寺長老)

華道月輪未生流家元(泉涌寺長老)

華道月輪未生流は、総本山御寺泉涌寺長老(管長)を家元として伝わっている華道の流派で、規模は大きくないが、華務長を軸に各司所各師範の下に、特に若い世代(10代・20代の方々)が日々熱心に教えを受け、稽古している大変活気のある伝統華道です。 老若男女を問わず心(気分)を穏やかにして花と親しんでみませんか。

四季の花を通して自分を磨く

月輪未生流の伝書には次のような一節があります。「夫(そ)れ華道とは・・・花を鏡として吾人を照らし・・・美徳を得る」。つまり、四季折々の花を通して自らの心身を磨き、自分と他人の分け隔てなく幸を与え、福を得る。当流ではそれが「いけばな」だと考えています。花を愛する方、ガーデニングの楽しみを深めたい方はもちろん、感性を磨きたい方、自分深訪をしている方も、「いけばな」という新しい世界へ、一歩踏み出してみませんか?

泉涌寺と月輪の話

東山からのぼる月が鴨川に映るさまを月輪と称し、東福寺より 泉涌寺に及ぶ東山山麓一帯をさします。
856年(斉衡3)に開創された時は法輪寺と称しましたが、1218年(建保6)、僧 俊芿(しゅんじょう)の勧進活動により再興され、泉涌寺と改めました。皇室の菩提寺である香華院として「御寺(みてら)」と尊称された泉涌寺には、格調高い花形を特色とする月輪未生流が伝わりました。毎月、宮中より御陵と霊明殿に代参があり、そのときの供花を原型としてつくられた流儀です。

献華式

献華式

正月の拝賀式では皇室の御尊牌を祀る霊明殿に、三月の涅槃会では泉涌寺に伝わる日本最大の涅槃図に献華をします。秋のいけばな展では霊明殿と歴代尊儀御霊の鎮まる月輪御陵において献菊式を行います。いずれも古式に則った艶かな衣裳を身に纏い、厳かな雰囲気の中で行われます。また当流師範の許可を受ける際には、家元の前で歴代天皇の宝前にお花を供する霊明殿新師範献華式も行います